ふたつの源泉と美しい料理、落ち着いた和の空間を満喫 草津温泉「望雲」

自噴量の多さで日本一を誇る群馬県草津温泉。

草津温泉といえばメディアでもおなじみのもうもうと湯気が上る「湯畑」や湯温を下げるための「湯もみ」が思い浮かぶ。

「望雲」は湯畑から5分ほどの高台に建つ老舗温泉旅館。

提灯が印象的な玄関を入ると木のぬくもりを感じる広々としたロビーとゆったりと寛げるラウンジ。

清掃の行き届いた館内には随所に生花が活けられ落ち着いた雰囲気が漂う。

客室は新館の雲松庵に和室・洋室・温泉露天風呂付き和室、本館に和室・次の間付和室など。

宿泊したのは雲松庵の温泉露天風呂付きの和室。12.5畳の和室と6畳の広縁、ウッドテラスの付いた露天風呂とシャワールームがある。

大浴場は万代鉱源泉を引く「万代(ばんだい)の湯」、西の河原源泉を引く「西(さい)の湯」、万代鉱と西の河原のふたつの源泉を引く「遊山の湯」の3か所。それぞれ時間帯により男女の入れ替えがあるのですべての浴槽に浸かることができる。

西の河原源泉は肌あたりがやわらかく、万代鉱源泉は硫黄鉱山の坑道から噴出した源泉で殺菌・抗炎症作用に優れた力強い湯。

二つの源泉を引く浴槽が隣り合わせにある「遊山の湯」で入り比べると湯の違いがよくわかる。

食事は部屋で気兼ねなくいただける。

オリジナルの食前酒から始まる会席料理は、旬の地元の特産物を使用し温かい料理は暖かいままに、冷たい料理はひんやりと。

蓋付きの器は開けるときのわくわく感とともに手に伝わる温度もそれぞれで、それもまたもてなしの一環。

美しい器に気品の感じられる盛り付けの一皿ひとさらは目にもご馳走。

 

雲をモチーフにした茶碗や箸置きにもこだわりが感じられる。

デザートは新鮮なフルーツの盛り合わせのクリーム添え。

夕食後の腹ごなしに温泉街を通って湯畑まで浴衣で散策に出かけてみてはいかがだろう。

ライトアップする湯畑から立ち昇る湯煙が幻想的に見えるのもいい。

宿に戻り部屋の露天風呂に浸かる。お湯は西の河原源泉の掛け流し。

好きな時に独り占めできる温泉の贅沢とゆっくりとした時間を満喫させていただいた。

 

住所:群馬県吾妻郡草津町433

望雲 公式サイト:http://www.hotelboun.com/

 

(小椚萌香)