ノスタルジー漂うカフェ、湯布院・金鱗湖畔に佇む「茶房 天井桟敷」

湯布院、金鱗湖の水辺に建てられた小さな森の別荘「亀の井別荘」。

旅館の敷地内のガーデンテラスに囲まれた江戸末期の町家に雑貨・土産物を扱う「鍵屋」がぽつりと建ち、その2階に「茶房 天井桟敷」が設えられた。

江戸末期の造り酒屋の屋根裏を移築改装し、「珈琲・果汁・音楽・読書」のための空間として造られた喫茶室。

空いた席があることは少なく順番待ちのことが多いのでゆったりと待つ余裕が必要だ。待ち時間が長くなりそうなときは1階の「鍵屋」を覗いてみたり、ガーデン内の植物観察で時間を繋ごう。

グレゴリオ聖歌が静かに流れる店内はアンティークな調度品が並び足を踏み入れた途端にタイムスリップしたよう。

窓からの景色が楽しめるカウンター席もいいし、酒樽の底板を使った丸テーブルもいい。

一番のお目当ては階段上の「ひっそり桟敷」と呼ばれる桟敷席でテーブル席がふたつ。3度目の訪問にしてようやくこちらに案内されることに。

階段を上ると太い梁が頭上はもちろん見下ろす形でも見え、まさしく天井裏の隠れ家という雰囲気。壁際の大きな本棚に本が並び、珈琲をいただきながらパラパラと頁をめくる愉しみも。

テーブルに置いてあるお椀を重ねたような容器は砂糖入れ。

今回オーダーしたのは「ケーキセット」。ケーキとコーヒーは手動のリフトに載ってやってくる。リフトから自分でテーブルに運ぶのだがこれが印象深く面白い。

マーマレードを載せた自家製チーズケーキにはホイップクリームとミントが添えられ、濃厚なチーズの味とよく合う。

コーヒーは「天井桟敷ブレンド珈琲」。ヨーロッパ風の深煎りで香り高く濃い味わい。

名物「モン・ユフ」はベースのクリームチーズを生クリームで覆い、レーズンと粉砂糖をトッピングした「茶房 天井桟敷」のオリジナルのお菓子。雪をいただいた由布岳を模っているのが一目でわかる。こちらもお勧めのスイーツだ。

午後7時からは「Bar山猫」として営業。昼とはまた違った雰囲気でゲストを迎える。

湯布院散策の合間、音楽と珈琲とノスタルジーを味わいに訪れてみてはいかがだろう。

 

住所:大分県由布市湯布院町川上2633-1

天井桟敷・バー山猫 サイト:http://www.kamenoi-bessou.jp/tenjo.html

 

(小椚萌香)