厄除けにも。発祥の地で頂く「加茂みたらし茶屋」のみたらし団子

桜開花の情報が日に日に増えてくる京都。美しい桜を求めてそぞろ歩きながら、独自のグルメやスイーツも堪能したいところ。

今回訪ねたのは、京都の北東に位置する「下鴨神社(賀茂御祖神社)」に縁のある、「加茂みたらし茶屋」だ。

高野川と鴨川に挟まれて、緑豊かな糺の森。心地良い緑の雰囲気を味わいながら表参道を歩いていけば、下鴨神社の御本殿へ辿り着く。

そこでお参りした後、今度は西参道を行くと下鴨本通に当たる。この通りを渡ってすぐの所にあるのが「加茂みたらし茶屋」である。

みたらし団子をイメージしたと思われる、丸くて赤い提灯がぶら下がっているのですぐに見つかるだろう。

ぜんざいや磯辺巻き、様々な甘味の誘惑にひかれながらも、看板である「みたらし団子」を注文。3本セットで400円だ。

注文を受けてから焼き、温かい状態で提供される。ちょっと焦げた所が米の味を引き立てていて美味しい。

おまけに皿にあふれんばかりの蜜がたまらない。ややとろみの薄めな、甘さ控えめのみたらしだ。

一緒についてくるスプーンですくって、団子と一緒に食べると最高。ホッと一息つくには丁度いい味だ。

さて、このみたらし団子には他にはない特徴がある。

見て頂くと分かる通り、串には5個の団子が刺さっているのだが、先頭の1つの後に間が空き、2つ目以降がやや離れて並ぶ。

これにはちゃんとした理由がある。

ひとつは、先頭の1個を頭に見立て、残りの4つを四肢としたもの。これには厄除けの意味があるという。

そしてもう一つの理由は、下鴨神社の御手洗池(みたらしいけ)に湧き出す水の泡を象ったものとされる。後醍醐天皇が御手洗池で水を掬おうとした時、泡がひとつ浮かび、続いて4つ浮かんできたことから、最初の1つだけを離して串に刺しているのだそうだ。

この「加茂みたらし茶屋」はまさに「みたらし団子」発祥の地。

神社に縁のある甘味とあって、御利益が期待できそうだ。

(田原昌)