プラハに次いで2番目に文化財が多い都市・オロモウツを散策

「Olomouc(オロモウツ)」はチェコの東側、ポーランド寄りに位置する都市である。

首都・プラハからは特急列車の「Pendolino(ペンドリーノ)」に乗って約2時間。むしろオーストリアのウィーンや、スロヴァキアのヴラチスラヴァに近い。

地理上において重要な地点だったオロモウツは、モラヴィア王国の都であり、周辺国による影響を大いに受けてきた。そんな歴史故に、プラハに次いで2番目に文化財が多い都市であることに納得がいく。

オロモウツはこぢんまりとまとまっていて、主な交通はバスか市電となる。街の至る所に歴史的建造物が建っているので、歩いて巡る事をお勧めしたい。

賑やかではあるがごみごみしておらず、石畳の道や教会といった建物が歴史ある街の雰囲気を作り出している。

メインの「Horní náměstí(ホルニー広場)」には旧市庁舎が建つ。

高さ75mの尖塔があり、その上まで登ることが出来る。季節によってはツアーガイドも行われている。

注目すべきは北側の壁にある「天文時計」。

初めは華やかなものだった「天文時計」は、紆余曲折を経て今のデザインになった。高さが14mもあり、圧巻だ。

正午には音楽が鳴ってからくりが動くので、是非そのタイミングを狙いたい。

同じ広場にある「三位一体柱」は世界遺産に登録されている。ただの柱なのではなく、下部が教会になっているという非常に大きなもの。

18世紀に建立され、バロック調の豪華な彫刻が施されており、等身大の聖人達の像が36体も飾られている。

さて、街には7つの噴水があるという事で、全部を見てまわった。

旧市庁舎のすぐ側に、馬に跨がったカエサルの噴水がある。躍動感に溢れた彫刻だ。これはカエサルがオロモウツに砦を築いたという伝承があるためだろう。

最初に建てられたのは1683年のネプチューンの噴水であり、ヘラクレス、トリトン、マーキュリー、ジュピターと神々が続き、「Arion(アリオン)」の噴水が市民の要望により近年作られた。

プラハほど日本人には馴染みがないオロモウツ。

観光客が大勢いない分、ゆったりとした時間が流れる街だった。

(田原昌)