京福電気鉄道「北野白梅町」から歩いてすぐ。「北野の天神さん」と親しみを込めて呼ばれる「北野天満宮」が鎮座している。
ここは言わずと知れた文学・学問の神様である菅原道真公を祀った神社で、全国の「天満宮」「天神社」の総本社である。
今の季節になると受験生が多く集まり、合格のお礼をしたりこれからの幸運をお願いしたりと、境内は人で一杯だ。
絵馬掛所には、見たこともないほど多くの絵馬が山のように掛けられており、道真公の力にあやかりたいという強い思いがひしひしと伝わってくる。
さて、菅原道真公と言えば「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな(拾遺和歌集)」という歌が有名な程、梅と縁が深い。
それに由来し、北野天満宮の境内には多くの梅の木が植えられている。
赤に白、一重に八重咲きのもの。様々な種類の梅が一堂に集まっており、ほのかな甘い香りで我々を楽しませてくれるのだ。
早咲きのものは正月明けから開花するという。3月4日時点ではだいぶ咲きそろっていたが、まだ蕾のものもあったので下旬まで楽しめそうだ。
天満宮では2月から3月末頃まで、梅苑を公開している。お茶菓子付きなので、のんびりと梅を眺めるのもいい。
またこの梅の時期に合わせて宝物殿も開館している。(年に数回開館)
菅原道真公の生涯を描いた、国宝の「北野天神縁起絵巻・承久本」が展示されることもあるので、立ち寄ってみたい。
紅葉の季節、正月などにも行事があって賑わいをみせる北野天満宮だが、やはり梅の季節が一番。
優しい梅の香りにほっとしながら、間もなくやって来る春に人々が思いを寄せていた。
(田原昌)