田園風景を走り抜ける、チェコの鉄道旅行

チェコの鉄道事情は、乗る度に改善されていると感じる。ダイヤもそうだが、車両自体もどんどん良くなってきており、快適な旅を楽しむ事が出来るようになった。

5年程前では、列車が駅に入る度に軋むブレーキの音に耳を塞いでいたが、今ではそんな事もない。

「新幹線のように速い電車を目指して作ったんだ」とチェコ人が自慢する特急列車も、プラハ・ブルノ間やドイツ、オートリアなどの周辺諸国につながっていて、とても便利だ。

どの列車も日本から予約できるようになっているので、当日になって心配することはない。もちろん指定席も取れる。

それではチェコ第二の都市・Brno(ブルノ)から列車に乗って移動してみよう。

早朝の「Brno hlavní nádraží(ブルノ中央駅)」から普通列車に乗り込む。

日本と違って改札口はないので、そのまま列車に乗って大丈夫。チケットは後程車掌がやって来て、チェックされる仕組みになっている。

二等車はコンパートメントになっており、ドアの横に番号が振られているので指定席を取った場合はそれをチェック。指定していない場合は、番号に何も書かれていないことを確認してから座ればOK。

冷暖房もついており、列車によっては電源もあるのでとても便利だ。

ビールやチーズ、駅の売店で買い込んだ物を食べながら外の景色を楽しもう。

時には車内販売もあるので、それを利用するのも良い。

ブルノ周辺は「モラヴィア地方」と呼ばれる、酪農が盛んな地域である。そのため、季節を狙って行けば色とりどりの美しい穀倉平野の波が見られるのだ。

可愛らしい家。街の中心に立つ教会の尖塔や時計塔。

美しい緑が広がり、たまに過ぎていく小さな農村を眺めていると心が安らぐ。

どこまでも広がる雄大な景色に癒やされて、のんびりとした列車旅は癖になる。

是非一度、挑戦して欲しい旅の楽しみ方だ。

(田原昌)