チェコのビールの街・ピルゼンを巡る

Plzeň(ピルゼン)という街は、チェコの首都であるプラハよりも西側、ややドイツ寄りに位置している。

ここはピルスナービール誕生の地として、ビール好き憧れの土地だ。

プラハから、もしくはドイツのミュンヘン方面から乗り換えなしで列車で行くことが出来るので、気軽に訪ねてみよう。

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駅を降り、少し歩くと煙突が見えてくる。なんとなく麦芽の香りまでしてきた。

やがて辿り着く大きな門。これがピルスナービールの元祖「Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル)」の工場への入り口だ。

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一日に数回、英語やチェコ語、ドイツ語などでの工場見学があるので、まずは予約をしてしまおう。

その後で時間があまりないようならお土産店をのぞくか、工場直営のレストランで早速一杯頂く。出来たてのビールが身に染みる。

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せっかくなので、ピルゼンの街を歩く。プラハほど大きくはなく、とても歩きやすい街だ。

中央に大きな教会「Katedrála sv. Bartoloměje(聖バーソロミュー教会)」があり、イースターやクリスマスのマーケットなどはこの広場で行われる。

広場の周りを四角に囲む家々の色やデザイン、壁画が実に美しいので見てほしい。

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ビールが中心の街なので、「Pivovarské Muzeum(ビール博物館)」にも立ち寄りたい。

ビールの作り方や古い時代に使われていた道具の展示が並び、また面白いものには「ビール樽の作り方」についての展示がある。

現在ではビールの保存や運搬には金属製のタンクを使用するのが普通だが、ウルケルでは一部木樽を使用して味の確認を行っている。

その為にも樽を作る技術は大切にされており、伝統として受け継がれているのだ。

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さて、ピルゼンには「アメリカ通り」という通りがあるように、第二次大戦の頃、アメリカ軍によって解放された歴史を持つ。

その中心人物が、映画「パットン大戦車団」で有名なジョージ・パットンだ。

彼の功績を称え、街には「Muzeum Generála Pattona(パットン将軍博物館)」があり、彼の所持品や当時のアメリカ軍やドイツ軍が使用していた品々を展示している。

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つい先日、日本のアサヒビールがウルケルを買収したというニュースによって世界中のビールファンが沸き立ち、再び注目されているピルゼン。

しかしビールだけではなく、のんびりと散策しても楽しい素敵な街なのだ。

(田原昌)