150の美しい堂塔から成る平和の寺院・比叡山延暦寺を巡る

京都と滋賀の県境にある比叡山は高野山と並び古くから信仰対象の山。眼下に琵琶湖を、西に京都の街並みを一望する景勝地でもある。

比叡山延暦寺は一塔の建造物を指すのではなく、山に点在する150ほどある堂塔の総称だ。

大きく3つのエリアに区分され、東を「東塔(とうどう)」、西を「西塔(さいとう)」、北を「横川(よかわ)」と呼ぶ三塔で、それぞれに本堂がある。

自家用車では比叡山ドライブウェイ・奥比叡ドライブウェイの利用が主な交通手段。

田の谷峠ゲートから比叡山ドライブウェイで延暦寺を目指すと途中にいくつも展望スポットが現れる。駐車場があるので車を停めて素晴らしい眺望を愉しみつつ道を進みたい。

比叡山ドライブウェイの延暦寺ゲート付近が東塔のエリア。巡拝料を納め本堂に向かって歩き始めると国宝殿、戒壇院、大講堂、鐘楼等の建造物が点在する。

時折鐘の音が聞こえると思うと、鐘楼に並んでいる参拝者がおり、「冥加料 一打 五十円」とあるのでこちらでは参拝者でも鐘つきができるようだ。

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東塔の本堂にあたる根本中堂は建物は国宝に、廻廊は国重要文化財に指定されている。

履物を脱ぎ廻廊から堂内に入ると昼でもほの暗く、厳粛な雰囲気の中で僧侶による説法を拝聴。神秘的にも思える世界に心が清められる思いがする。

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根本中堂内部は撮影禁止であるが、東側にある石段の上の文殊楼(もんじゅろう)から端正な外観を見下ろせる。

急な階段ではあるが、2階に上がることもできるので時間と体力があれば登ってみはいかがだろう。

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文殊楼の先には宿坊「延暦寺会館」があり、食事や宿泊のほか、修行体験として写経や座禅もできる。修行体験には事前の予約が必要だ。

「西塔」へ向かうため駐車場に戻るが、長い石段を上がった先にある「阿弥陀堂」、「法華総持院東塔」の朱色の美しい姿も拝観しておきたい。

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なお、比叡山内の各地域をつなぐシャトルバスの運行があるので自家用車を利用しない場合は1日フリー乗車券を利用すると便利である。

延暦寺所在地:滋賀県大津市坂本本町4220
延暦寺会館公式サイト:http://syukubo.jp/

(小椚萌香)