東京都写真美術館がリニューアル!廃墟の美を撮る杉本博司展を開催

大規模改修のため閉館していた東京都写真美術館がこの秋ついにリニューアルオープンする。

同館の新しい門出と、総合開館20周年を記念し、日本を代表するアーティストの1人、杉本博司の展覧会「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展を開催する。期間は9月3日(土)~11月13日(日)。

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杉本博司《パラマウント・シアター、ニューアーク》(スタンリー・クレーマー『渚にて』1959) 2015年、ゼラチン・シルバー・プリント ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司は 1970 年代からニューヨークを拠点に活動。大型カメラを用いた写真作品で国際的に高い評価を得るほか、現代美術や建築、デザイン、執筆など他方面に活躍してきた。

 11 月には草月ホール (東京)にて初の現代劇『 声』(仮称) (作 平野啓一 郎、音楽 庄司紗矢香、主演 寺島しのぶ)を演出を予定している。

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ラストサパー サンディ 1999/2012 ゼラチン・シルバー・プリント ©Sugimoto Studio

本展のテーマは「人類と文明の終焉」。2014年にフランス・パリのパレ・ド・トーキョーで発表し、好評を博した展覧会の東京バージョンとして制作されたものだ。

2フロアに渡り、古美術、化石、書籍、歴史的資料等を用いた歴史や文明についての考察が繰り広げられ、作家の世界観や歴史観に迫る内容となっている。

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雷神 鎌倉時代 ©Sugimoto Studio

新シリーズ<廃墟劇場>を世界初公開するほか、<今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない>を日本で初めて公開。

杉本氏が10年以上に渡り取り組んできた、京都の蓮華王院本堂 (通称、三十三間堂)の千手観音を撮影した作品<仏の海>がインスタレーションとなって登場する。

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〈仏の海〉 1995(展示風景) ©Sugimoto Studio

さらに会期中、批評家・現代思想の浅田彰や写真家・編集者の都築響一との対談(9月3日)や、黒澤明監督の映画『羅生門 』の特別上映などの関連イベントも予定している。

日本初の写真と映像に関する総合的な美術館として誕生した東京都写真美術館の新しい歴史のスタートを飾る本展。

日本を代表するアーティストが写真という表現を通して創り上げた空間で、人間が築き上げてきた文明や社会の行方について再考する時間は、私たちに新たな気づきを与えてくれるだろう。

◼︎「杉本博司ロスト・ヒューマン」展
期間:2016年9月3日(土)~11月13日(日)
会場:東京都写真美術館2階・3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3
休館日:毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
料金:一般1,000(800)円、学生800(640)円、中高生・65歳以上700(560)円
※10月1日(土)都民の日は無料
公式ホームページ:http://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2565.html

画像提供元:東京都写真美術館

(y.kometani)