カナダのモントリオールは、車で簡単にニューヨークに行けるような立地だ。
しかしアメリカの豪快な料理とは違い、フランス気質の食に対するこだわりと繊細さが垣間見えた。
街の中心部から少し外れたところに、「Engaufrez-Vous(アングフェイ・ヴ)」という可愛らしいワッフルの店を見つけた。女性に人気の店のようである。
店の内装も可愛らしく、男性の店員が丁寧にメニューの説明をしてくれた。食事用とデザート用のワッフルがあるので、ランチにも利用可能だ。
食事用のワッフルは、間にハムやチーズなどを挟んで焼き上げたもの。デザート用はバナナなどの果物が入っていて優しい甘さになっている。
モントリオールで有名なのが「Poutine(プーティン)」である。名物なので様々な店で提供しているが、中でも人気なのが「Montréal Poutine(モントリオール・プーティン)」だ。
石畳が広がる旧市街にあり、中庭を使った石造りの店が味わい深い。
太いポテトにグレービーソースをかけたようなプーティンは、見た目よりも重たくなくて美味しいのだが、量がかなり多い。日本人は少し控えめなのを頼んだ方がいいだろう。
天気の良い日は、中庭でわいわいやるのが似合うプーティンだ。
フランスらしいと言えば「Chez Suzette(シェ・シュゼッテ)」というクレープ屋がお勧め。
食事用、デザート用のクレープと、チーズフォンデュがメイン。内装のランプが落ち着いた雰囲気を作っており、ゆったり過ごすことが出来る。
お店の人のお勧めは、やはり100%天然のメープルシロップを使用したクレープ。
具材をたくさん詰め込んだクレープに、メープルシロップをたっぷりとかける。意外かもしれないがベーコンやハム、サーモンにも良く合って、ほどよい甘さを添えてくれるのだ。
旧市街には、自家醸造のビールを提供するレストランもあった。
「3人の醸造家」という意味の「Les 3 Brasseurs(レ・3ブラッセール)」は、店内に大きな銅釜を置いており、醸造を間近で見られる。出来たての新鮮なビールが飲めるとあって、多くの人でにぎわっていた。
おつまみになるようなメニューも多いので、飲みがメインだという人にもお勧めしたい。
どの店も美味しいと言われる、モントリオールでの食事。こだわったデザインの店も多いので、色々と試してみたくなる街だった。
(田原昌)