1929(昭和4)年、六甲山上にヨーロッパのリゾートホテルをイメージして建てられた「六甲山ホテル」。標高768.78メートルという高台に建っているが、神戸の市街地から車でわずか20分で到着する。
六甲山ホテルには、神戸の夜景と“涼”を求めて泊まる。
平地から六甲山上を目指してドライブしていくと外気温がみるみる下がっていく。窓を全開にすると気持ちのいい風が入ってくる。
ホテルは県道16号沿いに建っている。玄関からグッと突き出た緑の屋根の車止めが印象的。
残念ながら開業時からの旧館は2015年12月に営業を終えたが、建物は保存しており、クラシカルな2階建ての木造建築の外観が見れる。
本館の客室は洋室ツインルームが主体で、特別室が2部屋の全45室。
海側と山側に部屋があり、お薦めはもちろん海側だ。部屋に居ながら見える景色は眼下に神戸、海に張り出した人工島の六甲アイランドとポートアイランド、神戸空港、湾の向こうに大阪の街が広がる。
日が暮れる前に屋上の展望デッキに上がってみよう。
太陽が1日の最後の閃光を放ち、山の向こうへ沈んでゆく姿が見られる。そのまま空が暗くなるのを待てば海側の神戸の街がキラキラと瞬きはじめ、やがて1000万ドルの夜景が浮かび上がる。
レストランは、ホテル6階にスカイレストラン「レトワール」と日本料理「瀬戸」がある。
ディナーは「レトワール」でフレンチのコースをいただいた。
あいにく窓際のテーブルは空席がなかったが、アミューズ、スープ、メインディッシュ等、素材の説明とともに運ばれる料理は、フレンチならではの鮮やかな色彩と繊細かつ奥行きのある味付けを堪能。ホールスタッフのにこやかで丁寧な仕事ぶりにも好感が持てる。
コース料理が一通り終わりあとはデザート、というタイミングでスタッフから「よろしければ窓側の席が空きましたので移動されますか」との案内。ゲストに寄り添ったさりげない心遣いが嬉しい。
ラウンジバー「トップ オブ ロッコウ(Top of Rokko)」からも神戸市街が一望。食事のあとにチラチラと光る夜景をつまみに軽くアルコールを飲めるのもいいものだ。
住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町南六甲1034
電話:078-891-0301
六甲山ホテル サイト:https://www.hankyu-hotel.com/hotel/rokkosanh/index.html
(小椚萌香)