甘くて優しい、本場カナダのメープルシロップを専門店で味わう

カナダと言えば、真っ赤な国旗にあるようにメープル(サトウカエデ)をイメージするだろう。

メープルから採取するのがメープルシロップであり、ケベック州だけで世界の70%近くを生産している。

そんなケベック州モントリオールに、メープルシロップ専門店「DÉLICES(デリース)」があるので行ってみた。

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広々とした木の空間に、ほんのりとメープルの香りが漂う。様々な商品が並ぶ棚を見ていると、店員が声を掛けてくれた。ぜひ試食して欲しいと、試食用テーブルに案内する。

「上質なメープルシロップは、年に3~4週間しか採れないんです。気候が寒すぎても、暖かくなりすぎても駄目なんですよ」

冬から春になる、その寒暖差を利用して採取するという。世界中どこでも、大きな瓶を満たしたメープルシロップを見てきたので、半年くらいは採取できるのだと思っていたが、実は繊細なものだ。

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まず、メープルシロップを試させて頂く。採取する順から「ゴールデン」「アンバー」「ダーク」となり、色と味がどんどん濃くなってくる。

「使用する料理によって、使い分けてもらいたい」と言う。私はパンケーキにかけるくらいしか芸がないが、カナダではメープルシロップを使った肉、魚料理なども存在する。日本で言えば醤油を使い分けるようなものだろう。

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他にもドレッシングやクランベリーが入ったソース、ジャムなどもあったが、一番気になったのが「メープルタフィー」という瓶に入った琥珀色の商品だ。

どうやって使うのかと尋ねると、店員が砕いた氷を敷き詰めたカウンターに移動した。氷の上にソースをかけるように「メープルタフィー」を流し、しばらく待ってから木のスプーンで上手くそれをくっつけて渡してくれた。氷で固まったメープルシロップのキャンディである。

「メープルタフィーは収穫した最初の頃に、雪の上で作る伝統的なものですが、こうして年中食べられるようにしました」

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この店ではイートインも可能だ。メープルシロップを使ったマフィンやクッキー、ケーキ、アイスクリームなどファンにはたまらない甘い誘惑がずらりと並ぶ。

しかし本物のメープルシロップなので、甘すぎると感じない。知り尽くした人たちのレシピなのである。

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カルシウムも豊富でカロリーも低め。砂糖を使うよりもメープルシロップをつかった方が身体に良いと言う。

日常に取り入れやすいように提案された様々な商品は、我々の健康を気遣った優しい商品だった。

(田原昌)