槍ヶ岳を仰ぎ見る秘湯の宿 新穂高温泉「槍見舘」

槍見舘(やりみかん)は奥飛騨温泉郷、新穂高温泉にある蒲田川沿いに佇む古民家造りの一軒宿。県道475号から川沿いの脇道に入り、細い道を進んでいくと突き当りに建っている。

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築200年の庄屋屋敷を移築した母屋に入る。水船を置いた三和土(たたき)や囲炉裏を配した小上がりの間が昔話の舞台のような雰囲気を醸し出し、黒くいぶされた柱や梁がずしりとした重厚感を漂わせている。水船には懐かしい瓶入りのラムネやビールなどを湧き水で冷やし、温泉で温めた缶コーヒーと温泉たまごが湯の中に鎮座している。支払いは自己申告するというおおらかさである。

部屋は和モダン、民芸調の部屋、バリアフリー対応の和洋室、メゾネットタイプの露天風呂付き離れなどが用意されている。

お薦めの部屋は、槍ヶ岳を臨める露天風呂付きの離れ「霞」。人気で予約を取りにくいのが難点である。

宿の自慢はなんといっても湯量豊富な温泉。奥飛騨の自然の中で愉しめる掛け流しの露天風呂は、混浴露天風呂が2つ、貸切露天風呂4つ、女性専用露天に足湯など、バリエーション豊かで、いずれも蒲田川沿いに造られている。川のせせらぎを聞きながら、北アルプスの絶景を眺めながらの開放感あふれる露天風呂は贅沢そのもの。混浴は女性専用の時間帯を設けているので、女性でも気兼ねなく入浴できるのが嬉しい。男女別の内風呂ももちろん、掛け流しだ。槍ヶ岳方向に大きなガラス窓のある湯船は、露天風呂に負けない眺望。湯船は2つあり、小さいほうの湯船はとてもとても熱い湯が張ってあった。頑張って入ってみたが、1分も浸かっていられなかった。

槍見舘は、奥飛騨でも数軒しかない飛騨牛料理指定店。奥飛騨の清流で育った岩魚(いわな)の炭火焼きも絶品であるが、厳選された最高級ランクの飛騨牛料理にもうならされる。地産地消をコンセプトに、季節ごとの食材を活かした郷土懐石とともに美味しくいただいた。

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槍見舘恒例の餅つきは、毎朝このロビーで宿泊客も参加して和気あいあいとした雰囲気で行われる。昔ながらの臼と杵(きね)を使った餅つきは初めて、というゲストにも喜ばれているようだ。つきたての餅は、きなこ餅や辛味餅となって宿泊者に振る舞われる。昔話の登場人物の1人となって、アツアツのお餅をほおばった。

所在地:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂
電話:0578-89-2808
サイト:http://www.yarimikan.com/

(小椚萌香)

【参考】
新穂高温泉「槍見舘」 – 高級旅館・高級ホテルの予約ならrelux(リラックス)