国道135号線で伊豆高原を過ぎ、さらに南下していくと右手に「大川温泉」という看板が現れる。
右折して坂道を上っていくと道はだんだんと細くなり、「いさり火」の案内板がさらに細い道への左折を促している。この細い道を進まねばならないのが難儀であった(正確にいうと鋭角のカーブを曲がるのに苦労した)が、宿に着いてみるとやってきた甲斐があるすばらしい景色が待っていた。
ロビーラウンジからの眺めは夏の日をキラキラと輝かせる海原と青い空にぽっかりと浮かぶ白い雲。夏の愉しい休日の始まりを予感させられる。
部屋数は全12室、すべての部屋に源泉かけ流しの露天風呂が付いている。石造りの露天風呂や展望露天風呂付き、ベッドルームタイプの部屋など各室それぞれに特徴があるので人数や好みのタイプを指定して予約されたい。
宿泊したのは展望露天風呂付きの和室。露天風呂からも太平洋がよく見渡せる。風呂は自然石の石造りで底床には伊豆石が敷かれている。檜風呂の上品な感じの風呂も好みであるが、自然石造りの風呂のダイナミックな趣きの風呂もよい。温泉は鉄分が多く含まれ半透明の茶褐色の濁り湯。冬場はよく温まり、夏場は海風が心地よい。
各部屋に温泉露天風呂が付いているが大浴場はぜひ利用されたい。内湯から竹垣で仕切られた道を進むと海が見渡せる広々とした露天風呂へと繋がっている。部屋に露天風呂があるうえに部屋数が少ないため貸し切りになる確率が非常に高い。浴槽の周りは樹々で囲まれ、目の前には太平洋、四肢を伸ばして入る露天風呂は何事にも代えがたい解放感。
温泉三昧をしているとすぐに夕食の時間がやってくる。テーブルには海の幸が所せましと並ぶ。豪快に盛られた造りは伊東の市場で買い付ける金目鯛、メジマグロ、カンパチ、アジ、イナダ、ウニや目の前の相模湾から揚がる伊勢エビ、サザエ、アワビなど。すぐ近くの海で獲ったものだろうか、シッタカやトコブシなど噛むほどに磯の香が口に広がる食材が味わえるのも海を辺くに持つ宿での特権だ。デザートには伊豆名産の心太。辛子醤油でさっぱりとおいしくいただける。
朝のテーブルにもやはり海の幸が並び朝から贅沢な食事。
朝食が済んだらロビーに出てみよう。セルフのコーヒーメーカーもあるので海を見ながらコーヒーをいただく。温泉、豊かな自然、海の幸、どれも贅沢に愉しめる伊豆半島への旅行は飽きることなく何度でも行きたくなるのである。
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町大川31-4
電話:0557-23-1363
サイト:http://www.isaribi.co.jp/
(小椚 萌香)
【参考】
いさり火 – 高級旅館・高級ホテルの予約ならrelux(リラックス)
- 1
- 2