「It is always darkest just before the DAWN(夜明け前こそが一番暗い)」とは、つらいことの後には必ずいいことがあるという西洋の言い回しだが、ロールス・ロイスの販売は毎年のように過去最高を記録するほど好調だ。
その要因としては、より現代的なデザインやエンジニアリング、さらには2013年に登場したクーペ「レイス」の存在などがある。格式ばった旧態依然としたイメージは既になく、若くして成功した超富裕層もこぞってステアリングを握っている。
そんなロールス・ロイスが新たなニーズに応えるべく開発したのが、今回の新しいドロップヘッドクーペ「ドーン」だ。
ドーンで注力されたのは、ロールスならではのステータス性に加え、オープン/クローズのいずれでも溜息がでるほど美しいプロポーション、魔法の絨毯と称される乗り心地、そしてクローズ時の絶対的な静かさだ。
サイドから見ると、大きく寝かされたウインドスクリーン、リアエンドまで上昇しながら流れるサイドのプレスラインなどの造形が、優雅さや気品に加え、疾走感まで表現している。停まっていても、そこにはそよ風が流れているようである。
ルーフの開閉時間はわずか20秒で、時速50キロまでであれば走行中でも操作可能。ファブリックルーフは6層構造とされ、クローズ時の静粛性の高さは「世界でもっとも静か」と自信を見せている。
内装のクオリティはもはや完璧とでも言いたくなるほどで、乗る人の目や手をいつでも楽しませてくれるだろう。
心臓部には自慢の6.6リッターV12ツインターボ(最高出力570ps/最大トルク780Nm)が収められ、上質な音色とともにハイスピードの世界へと誘う。
価格は3,740万円と当然ながら超高額だが、それに見合った価値は十二分にあり、最高の移動時間が約束されている。
(zlatan)
写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ
- 1
- 2