年々厳しくなる排ガス規制への対応は、ポルシェやフェラーリといったスポーツカーメーカーであっても例外ではない。排気量を小さくし、その分のパワーを過給機で補うという手法は、欧州メーカーがいち早く採り入れている。
今回はその一環として、次期ボクスター/ケイマンに新開発のターボチャージャー付き4気筒水平対向エンジンが搭載される。
ポルシェとしては伝統の6気筒から4気筒へとシリンダーを減らすことへのエクスキューズが必要だったのだろうか。併せて「718」という往年のネーミングを復活させ、「718ボクスター」ならびに「718ケイマン」として発売される。
この「718」とは、4気筒の水平対向エンジンを搭載し、1950年代後半に「タルガフローリオ」をはじめとした数々の伝説的なレースを制してきたポルシェ製スポーツカーの名称だ。
また、ル・マン24時間やWEC(世界耐久選手権)を制した最新の「919ハイブリッドLMP1レースカー」にもV型とはいえ4気筒ターボが搭載されていて、4気筒においても優れたパフォーマンスを実証しているとポルシェは説明する。
とはいえ、与えられるパフォーマンスはもとより、6気筒の美点である振動の少なさ、高回転まで滑らかに吹けあがるフィーリング、そして美しいサウンドがどこまで4気筒で実現できているのかは、ファンならずとも気になるところだろう。
なお、次期ボクスター/ケイマン(※写真は現行モデル)は現在よりも外観的にも技術的にも共通点が増える一方、価格レンジは現在と逆転し、オープンモデルのボクスターの方が上位に設定されるようだ。
エンジンが4気筒になることにより、価格もダウンサイジングされると期待するのは虫が良すぎるだろうか。
(zlatan)
写真:ポルシェジャパン
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