実車で見る「新型NSX」は文句なしにカッコいい。これまで各国モーターショーで何度も披露されてきただけに新鮮味はやや薄れた感もあるが、写真で見る以上にロー&ワイド、そして精悍な佇まいは、スポーツカー特有の強烈なオーラを放っている。
低い位置に配されたコックピットは、運転に集中できるデザインと硬質な雰囲気に加え、先代には無かった色気も感じさせる。視界は想像以上に良好で、そこまで神経質にならずに運転できることだろう。
コックピットの背後に搭載するパワーユニットは、新開発の3.5リッターV6ツインターボ+モーター+9速デュアルクラッチ・トランスミッションというハイブリッドシステム。
さらに、前輪左右にもそれぞれモーターが搭載されている。システム合計では、最高出力573ps/最大トルク646Nmを放つ。
バッテリー残量さえあれば、発進直後は前輪モーターのみによるEV走行も可能で、最高速度も60km/h程度まで出せるようだ。このあたりは環境にも配慮した新世代のスーパーカーらしい。
とはいえ、ひとたびアクセルペダルを踏み込めば、EV走行による静けさから一変、乾いたエグゾーストサウンドが響きわたり、その本性を露わにする。
3つのモーターによるブースト効果や、9速デュアルクラッチによる小気味良い変速も相まって、カラダがシートバックに押し付けられる怒涛の加速が始まるのだ。
新型NSXの大きな特長として、4輪の駆動力を自在に制御する「SPORT HYBRID SH-AWD」による圧倒的なコーナリング性能がある。
だが、東京モーターショー直前にメディア向けに開催された事前試乗会でもそれを体感する機会は用意されなかった。お楽しみはこれから……、と言ったところだろうか。
米国での販売価格は約15万ドル(日本円で約1,800万円)。今後はフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンなどと鎬を削っていくことになる。
(zlatan)
写真:zlatan
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