ホンダ、4輪の安定性と2輪エンジンのパワーを組み合わせた変則的コンセプトモデルを公開

エンジンは2輪、シャーシは4輪

今回初公開される「Honda Project 2&4 powered by RC213V」のデザインは1960年代のフォーミュラ1(F1)参戦時代、いわゆる第一期F1をモチーフとし、エアロパーツのないシンプルな葉巻型。

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エンジンは MotoGPに参戦するマシンRC213Vの公道仕様車 RC213V-Sに搭載される 999ccV型4気筒エンジンをミッドシップに搭載、高回転型のエンジンは215馬力を13,000回転で発生する。

これに専用6速DCTを組み合わせ、後輪を駆動する。

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このマシンが通常のミッドシップと大きく異なるのは、エンジンとドライバーシートが横並びになる点だ。

サイド・バイ・サイドの再来

古いモータースポーツファンに見覚えがあるこのレイアウトは、1997年に開発、ツインリンクもてぎのサーキット走行車両として体験できたあの「サイド・バイ・サイド」の再来といってもいいだろう。

ホンダサイド・バイ・サイド
サイド・バイ・サイドでは742ccで57馬力を7500回転で発揮する2輪車「アフリカツインXRV750」のV型ツイン・エンジンを搭載。ドライバーの右横にエンジンを位置することで重量物すべてを重心位置付近に近づけることができ、ヨー慣性モーメントを極限まで小さくすることを実現した。

これにより、アンダーステア・オーバーステア特性を緩やかにでき、ナチュラルなハンドリングを達成している。

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「Honda Project 2&4 powered by RC213V」はこのサイド・バイ・サイドの利点を活かしつつ、さらに人間がむき出し、ネイキッド化されたデザインと、215馬力という過激なパワーにより、さらに爽快かつ刺激的な走りを実現するに違いない。

栄光のホンダ復活なるか?

この4輪の安定性と2輪エンジンのハイパワーを組み合わせたコンセプトモデルは、ホンダ社内コンペティション「グローバルデザインプロジェクト」で選ばれたモデルだ。

F1では苦戦を強いられているが、このような元気なモデルがホンダから出てくることで、輝いていたあの時代のホンダの再来に期待している。今後の市販化が待ち遠しい。

(野間 恒毅)