エントランスでハス池の写真を撮っているとロビー玄関のドアがスッと開けられ「ようこそいらっしゃいませ」と出迎えてくれる。ロビーは一部吹き抜けでアールデコ様式の装飾に魅了される。
チェックインの際に夕食の時間と翌朝のモーニングの和洋を選択。夕食はメインダイニングでのフレンチのコースだ。
できれば竹島が目の前に見えるテラス席がいい。希望を告げるとできる限りご用意させていただくとのこと。アニバーサリーでいらっしゃるゲスト優先なのは仕方がない。運を天に任せることにして部屋に案内していただく。
猫脚のバスタブ……、というわけではなかったが、広めのバスタブでシャワーを浴びてスッキリしたところで夕食までの時間をラウンジ・バー アゼリアでゆっくりすることに。
ビールの小瓶をオーダーし、窓から見える竹島をぼんやりと眺める。聞こえるはずのない遠く竹島の周りの海でマリンスポーツに興じる人たちの声が脳裏に響く気がする。規模は違えど、江ノ島の賑わいとイメージが重なるからなのか。ホテルは贅沢な夏の避暑地だな、と思う。
夕食の時間にメインダイニングに向かうと案内されたのは広いダイニングを通り抜けたテラスだった。希望どおり竹島が見える3テーブルのうちの中央の特等席がリザーブされていた。
ハードシードルをオーダーし、アミューズがセットされる前に噂の皿をチェック。白地にブルーで竹島や、ホテル外観が描かれている。これが蒲郡プリンスホテル時代から使用されている歴史ある大皿だ。
裏面にはしっかりと「GAMAGORI PRINCE HOTEL」のロゴが。
食事はアミューズから始まるフレンチのコース。前菜には蒲郡みかんを使ったソースが添えられ、魚料理は三河湾の深い海で取れる平貝など旅行者にもうれしい食材を使った品々。
丁寧な食材の説明や、皿に乗ったドーム型の蓋をテーブルでオープンしてくれるサーヴィスも特別な気分を味わえる。
食事も中盤になったころ、右手の先客のテーブルで誕生日のお祝いのセレモニーと記念写真の撮影が始まった。やはりアニバーサリーのゲストがいらっしゃったんだな、と。
しばらくすると左手の先客のテーブルでもハート形のプレートの乗ったデザートと記念写真のセレモニーが。中央の席の筆者は運よく我儘をきいてもらえたらしい。
いやいや、筆者もたまたま誕生月だったこともあるので肩身の狭いことでもない、と思い直した。蒲郡クラシックホテルのロマンティックなディナーを堪能した夜だった。
住所:愛知県蒲郡市竹島町15-1
電話:0533-68-1111
蒲郡クラシックホテル:蒲郡クラシックホテル
(小椚 萌香)
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