シャウエンまでの道のりは決して安易ではなく、言ってしまえば結構大変。
電車は通っていないため、バスか乗り合いタクシーでの移動となる。フェズから約4時間。タンジェから約2時間。カサブランカからは約6時間。いづれにしても、デコボコの山道をぎゅうぎゅう詰めの車で移動するため、結構きつい。
けれどそこまでしても来て良かった、と心底感動した景色がシャウエンにはあった。
まるでおとぎの国に迷い込んだかのような可愛らしい街並みは、ドアや窓などの細かい部分まで手の込んだ細工が施してあり芸術的ですらある。
ブルー一色に染まったシャウエンを想像していたが、建物こそシャウエンブルーと白に染まっているが、土産屋に並ぶ小物や、モロッコの風物詩でもあるスパイスが並び、色鮮やかな色調で彩られた場所も多く一瞬にして明るい気分にさせてくれた。
行く場所全てがフォトジェニックで、歩くだけでもとても楽しい。
またシャウエンの人たちは全体的に穏やかな人が多く、フレンドリーに話しかけてくる人が多い。屈託のない笑顔で話しかけ、日本人だとわかると知っている日本語を嬉しそうに話してくれる。
そして必ず、シャウエンの美しさ、素晴らしさを教えてくれるのだ。
「 ここは本当に美しい場所よ。きっとあなたも好きになる。そしてまた戻ってきたくなるよ。これほど素晴らしい場所はない」
「僕たちは決して経済的に豊かではないけれど、美しいシャウエンに居られてとても幸せだし、毎日ハッピーだよ」
風景の美しさに惚れ込んでやってきたシャウエンの街。訪れてみたら、そこに住む人々の温かさと心の豊かさが琴線に触れ、シャウエンブルーの美しさが更にまぶしくなったのは言うまでもない。
(ゆめたび)
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