1万円から20万円超えまで! 初めての「マルチコプター・ドローン」の選び方

センサーの種類

センサーにはジャイロ、Gセンサー、地磁気センサー(コンパス)といったように様々なセンサーがある。

ジャイロは機体の傾きを検知、安定させるもので基本的なセンサーだ。Gセンサーは機体の動きを検知するもので、横風に流されていることなどを検知することが可能。

ジャイロやGセンサーは相対的で僅かな変位量では検知しにくいが、地磁気センサー(コンパス)は絶対方向が分かるのが特徴だ。しかし金属など帯磁したものに弱いため、必ずリセットする必要がある。

GPSが装備されると絶対的位置が割り出せるために、屋外での安定飛行は確実なものとなる。

またこの機能を応用して予め飛行ルートを設定、自動的に飛行させたり、バッテリー切れになると自動的にホームポジションに帰還させる機能が実現できるため、初めて「ドローン(ロボットの意味)」となる。

FPV(ファースト・パーソン・ビュー)機能

カメラを装備した場合、その映像を伝送して手元のディスプレイやヘッドマウントディスプレイに表示、見ることができる機能。遠距離や物陰といった機体が操縦者から直接見えない場合でも、FPVを使えばまるで乗っているかのように操縦が可能だ。

また空撮の場合は映像を確認できるプレビューとしても便利。

 

室内用・超小型マルチコプター

つい最近まで二重反転プロペラを使った室内ヘリコプターラジコンが多かったが、ここにもクワッドコプターの波がやってきた。このタイプは超小型、手のひらサイズでUSBで充電するタイプが多い。室内での飛行を想定し、ジャイロで安定させて飛行が可能。ジャイロで安定するものの、基本的には操縦者の腕次第だ。ものによってはフリップ(宙返り)機能が1ボタンで実現できるものも多い。

超小型でモーター出力が限られていることもあり、横風のあるような室外では流されてしまうため、注意が必要だ。

価格帯は1万円以下。

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カメラ搭載型マルチコプター

上記の超小型~小型マルチコプターに簡易なカメラを装着したものがカメラ搭載型マルチコプターである。

画素数は30万画素からHD対応まで様々だが、固定式のために飛行時の傾きに応じて画角が変化。前進時は下向きに、後進時は上向きに、左右移動時は水平が傾くことや横風などで急激な画面変化もあり、再生時には乗りもの酔いする動画になることが多い。あくまでも空撮をちょっと楽しむ、という程度で考えておきたい。

価格帯は1万円~5万円。

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屋外用空撮マルチコプター

空撮用マルチコプターはカメラを搭載するために機体が大型化、中型機が多くなる。GoProなどのアクションカメラを搭載でき、機体の傾きによらずカメラの水平を保つジンバルを装備することも特長のひとつだ。GPSを装備し、ドローン的機能である設定飛行ルートの自動操縦やホームポジションへの帰還機能を持つものが多い。

本来ホビー用途であるが、業務用の大型機と比べて小型軽量という理由から山頂からの空撮などエクストリームな環境でプロに使われることもある。

価格帯は10万円~20万円。

phantom

本格的空撮マルチコプター

業務用にも使用される空撮マルチコプターは、4ローターではなく6ローター以上が多い。これは1つのローターが故障で停止した場合、4ローターの場合即墜落してしまうが、6ローター以上であればなんとか帰還できるためだ。

またペイロードを大きくするために8、10ローターといったようにローター数も増える傾向にある。

搭載する機材は高額な1眼レフカメラやビデオカメラが多く、ジンバルも当然装備される。またカメラアングルを自由に操作できるようになっており、操縦者とカメラマンは作業分担して飛行、撮影を行う。またディレクターが同伴してFPVの画面を見ながら指示を出すのが一般的だ。

ここまでくると趣味の世界を超えるが、なかには個人的趣味で飛ばす方もいる。

s1000_plus_001Spreading Wings S1000+ – Your DSLR In Flight | DJI

 

練習に超小型マルチコプターを

いきなり10万円以上の中型機を購入するものいいだろう。しかしマルチコプターの操縦性、運動性を知らないうちに飛ばすのは少しリスキーだ。

プロでも超小型マルチコプターを持って、雨の日空撮できない場合に室内で練習したりするという。高機能なセンサーがついていない超小型マルチコプターは運動特性を理解し、操縦テクニックを磨くのに最適だからだ。

高機能な中型機、大型機はGPSや高性能センサーが装備され、安定した飛行が可能だ。しかし機器故障や電波障害、その他突発的な強風などにより大きく姿勢を崩すことがある。その時はマニュアル操作に切り替え、無事に帰還させることができるかは最終的には操縦者のテクニックにかかっているのだ。

現在マルチコプターには様々な選択肢がある。手の届くところからはじめてみるのもいいだろう。

落としてしまうと社会的責任を問われるマルチコプター。安全確保とあらかじめ保険に入ることも忘れずに。

野間 恒毅