鎌倉の山で小さなお祭りに出逢う、小さな旅。

6月7日の事だが、山の中に楽しげな太鼓や笛の音が響き渡った。急いで山道を登りきると、ちょうど葛原岡神社の例大祭に出くわした。祭りに当たるというのは運が良い。

kam2
太鼓や笛の音と共に、神様が山を下りて由比ヶ浜にまで渡る「神輿渡御」が行われるという。思わず自分も楽しい音に連れられて、一緒に山を下りてみた。

宮司達を先頭にして急な坂を下っていく。後に子供達の太鼓と笛が続き、小さいながらも楽しい祭りだ。

やがて銭洗い弁天を越えたところで平地に着く。そこで一行に別れを告げて鎌倉駅を目指した。

kam3

山歩きに疲れたら、ちょっと一休み。鎌倉には多くのカフェや甘味処があるので、新しい店やお気に入りを発見するのも楽しい。今回は駅に向かう途中で「甘味処 こまめ」を見つけた。

外観は可愛らしい、こぢんまりとした民家のようだ。庭には季節の花が咲いていて鎌倉の雰囲気に良く調和している。

店に入って席に座ると、手作り感満載なメニューを渡された。全ての甘味がイラストで描かれていて、こういう所も鎌倉らしい魅力だ。

さて、イラストが素敵でどれも美味しそうなのだが、ここは看板メニューの「黒かん」に豆腐ときな粉のアイスクリームがのった「クリーム黒かん」を注文してみた。

kam4

店員が持ってきたものを見て思わず「おお」と声が出る。平たくちぎったような寒天が黒いのだ。それもそのはず、天然の天草を使った手作り。だからこその色だ。

他に手亡豆、あんず、そしてアイスクリームがのり、全体に生姜のシロップがかかる。

この生姜のシロップがとても爽やかで、全体の味をしっかりとしめてくれる。これからの暑い季節にちょうどいい。ハイキングの汗をさっと消してくれる味だった。

(田原昌)