美しい万年筆ブランド5つ ― ビジネスマン必見の『定番と限定品』

手元にはその人の歴史があらわれる。美しく年を重ねた女性の手には、大きく貫禄のある指輪が似合うもの。男性ならばやはり万年筆だ。筆記具でありながら工芸品の美しさを持つ万年筆は、大人の男の手をとても素敵に彩る。
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モンブラン(ドイツ)
誰もが知っている筆記具の王様。キャップヘッドにはモンブラン山の氷河を表すホワイトスターが、ペン先には標高を表す4810の数字があしらわれている。定番は1924年の発売の「マイスターシュテュック」シリーズ。シリーズ最大にして最も有名なマイスターシュテック149は、貫禄たっぷりの名品だ。
th_スクリーンショット 2014-09-18 15.56.39モンブランには歴史や文化に貢献した偉人にトリビュートを捧げるリミテッドエディションが数シリーズあり、毎年の注目の的となっている。2014年の作家シリーズは「ダニエル・デフォー」。ロビンソン・クルーソーにちなんだディテールが随所にちりばめられている。
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ペリカン(ドイツ)
1929年から万年筆をつくり続けているドイツの老舗ブランド。定番は「スーベーレーン」シリーズ。特にM800の人気が高い。
th_スクリーンショット 2014-09-18 16.01.14多くの人に馴染みやすい書き味や、サイズやペン先の種類の豊富さから、ただ美しいだけでなく実用の筆記具としての優秀さが際立つ。初心者から愛好家、玄人にいたるまで、いま最も評価を受けている万年筆だ。

限定品ではないが、ペリカンといえばもう一つ外せないのがビッグトレドと呼ばれる「トレドM900」。職人が長い時間をかけて施す細かい彫金はとても美しい。さらに装飾的なだけでなく、重心を繊細に調整する役割を果たしている。
th_スクリーンショット 2014-09-18 18.22.25およそ20万円という価格は万年筆としては大変高価であるが、歴史や芸術性、筆記具としての優秀さ、クラシックな貫禄と、特別な1本にふさわしい万年筆だ。

アウロラ
1919年、イタリアで最初に万年筆を生産したアウロラ。イタリアらしい華やかな美しさとともに、独自の技術を誇り、ペン先まで自社で生産する数少ないメーカーでもある。
定番の1つ「オプティマ」は1930年代のベストセラーを復刻したモデル。丸みを帯びたプロポーションが美しく、カラーバリエーションも印象的。リザーブタンクの存在は出先のインク切れにも心強い。
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「ダンテ・インフェルノ」は、イタリアの国民文学である『神曲』で知られる詩人ダンテに寄せてつくられた重厚な雰囲気の限定品。
th_スクリーンショット 2014-09-18 17.07.20上記以外にもアウロラの限定品には、イタリアを囲む4つの海、カトリックの教皇、レオナルドダヴィンチなど、イタリアを象徴するようなテーマでつくられているものが多い。

ビスコンティ(イタリア)
続いてイタリアの「ビスコンティ」は1988年の創業という、非常に若いメーカーである。万年筆が日常的なものでは無くなってからの時代にその名を上げた躍進ぶり、芸術的な造形に対するこだわり、とても個性的なブランドである。
人気は「ヴァン・ゴッホ」シリーズ。ヴァン・ゴッホの名画たちをモチーフとしたモデルだ。
th_スクリーンショット 2014-09-18 17.23.28写真は「アイリス」。
特別限定品「Forbidden City」は紫禁城を表現している。
th_スクリーンショット 2014-09-18 17.29.44格子の中からのぞく細工の数々に、目もくらむような迫力を感じる1本だ。

カランダッシュ(スイス)
精密機械の国スイスらしい、清潔で硬質な魅力のある万年筆が多い。高級ボールペンで有名でもあり、万年筆とボールペンをシリーズでで持つと、また美しい。定番の「バリアス」は様々な特殊素材を使ったボディを持つシリーズだ。
スクリーンショット 2014-09-18 17.54.21写真の「バリアス・アイバンホー」は金属の細い繊維を編み込んだ素材で、中世の騎士の鎧をイメージしている。

特別限定品の「カエログラフ」は、中国漆塗りの夜空に天体を描き出したとてもロマンティックなシリーズだ。ダイヤルを回すと過去・現在・未来と、星座の観察ができる機能があり、日本国内には北緯30°のものが用意されている。
th_スクリーンショット 2014-09-18 18.00.50写真は、「カエログラフ」のなかの超高級モデル「ゼニス」。ダイヤモンドが散りばめられたボディは夢のように美しい。……ちなみにお値段¥13,000,000 (本体価格) 。

どのメーカーも定番には完成された道具特有の美しさがあり、また年々発表される特別限定品には楽しさと贅沢感があふれている。筆記具にはロマンがある。

(くぼきひろこ)