ポルシェ ジャパンは、改良を加えたニューカイエンの予約受注を全国の正規ディーラーにて開始した。
カイエンはデビュー以来、SUVのスポーツカーとして高い人気を誇るモデル。改良を受けた新モデルのラインナップは、「カイエンS」、「カイエンターボ」、そしてプレミアムSUVセグメント初のプラグインハイブリッドである「カイエンS E-ハイブリッド」の3モデルで構成される。
エクステリアはリファインされ、一段とシャープなものに生まれ変わった。パーツ大きなデザイン変更を受けており、フロントフェンダーやエンジンフードなどはデザインが一新されている。リアデザインも全体的に見直しが図られており、テールライトは立体的な構成とし、他のパーツデザインと合わせて、よりエレガントさを感じさせるものとなった。
インテリアでは、パドルシフト付きマルチファンクションスポーツステアリングホイールを標準としたことで、コクピットはさらにスポーティな印象に。このステアリングは、ビジュアル、そして機能でも918スパイダーのステアリングを彷彿とさせ、ポルシェファンの心を擽る。リアシートはさらに快適性が高められ、オプションでシートベンチレーションの選択も可能となった。
パワートレインも大きく改良をされたことも注目だ。ニューカイエンにはコースティング機能やオートスタート/ストッププラス機能、サーマルマネージメントの最適化などにより、全モデルとも大幅な燃費向上を実現。またアクティブエアフラップを初採用したこともトピックだ。これはセンターエアインテークの後方にあり、エンジンマネージメントにより制御されるもので、走行状況と要求される冷却に応じて開閉し、ラジエターに供給される空気量を調節する機能である。
注目の新グレードである「カイエンS E-ハイブリッド」は、プレミアムSUVセグメント初のプラグインハイブリッドだ。カイエンシリーズのこれまでのハイブリッド「カイエンSハイブリッド」と比べても大きく進化を遂げている。そのひとつが、リチウムイオンバッテリーの容量を10.8 kWhまで向上されたことにある。走行条件にもよるが、電気モーターだけで18~36 kmを走ることを実現。また、駆動用モーターのパワーもカイエンSハイブリッドの47 PS(34kW)から2倍近い95 PS(70kW)まで強化されたこともポイントだ。新グレードの複合燃費は3.4 l/100 kmと公表されている。そんな低燃費を実現するパワーユニットには、3リッターV6スーパーチャージャーエンジン(333 PS/245 kW)とモーター(95 PS/70 kW)をセット。その総出力は416 PS(306 kW)/ 5,500 rpm、総トルクは590 Nm/1,250~4,000 rpmと、ポルシェの冠したSUVモデルに相応しい性能を備えている。その気になるポテンシャルだが、0-100 km/h加速は5.9秒、最高速度は243 km/hにも達する。EVモードも最高速度は125 km/hまで対応しており、日常域ではEVモードを存分に活用できる条件を備えているといえるだろう。
ダウンサイジングとして、新たにカイエンSに搭載された新開発の3.6リッターV6ツインターボエンジンは、燃費は9.5~9.8 l/100 kmと、従来のV8エンジンに比べ1リッター低減を可能とした。さらに最高出力は420 PS(309 kW)/ 6,000 rpmと、20 PS(15 kW)向上。最大トルクも50 Nm増え、550 Nm/1,350~4,500 rpmとなっている点も注目だ。8速ティプトロニックSを搭載したカイエンSの0-100 km/h加速はわずか5.5秒で、現行のカイエンSに比べ0.4秒短縮しているという。これは、1Lあたりの出力は40%も向上されたハイパフォーマンスなエンジンユニットの真の実力といえよう。
トップモデルにはカイエンターボが設定されており、大排気量を活かしたパワーとアグレッシブな走りを堪能することができる。搭載される4.8リッターの8気筒ツインターボエンジンは、最高出力520 PS(382 kW)/ 6,000 rpm、最大トルク750 Nm/2,250~4,000 rpmを発生。0-100㎞加速はわずか4.5秒と、他のハイパフォーマンススポーツカーのような加速を見せ、最高速度は279 km/hを誇る。SUVを必要としながらも、スーパースポーツカーの醍醐味も味わいたいという欲張りな方にはピッタリな一台といえよう。
ニューカイエンのシャシーは快適性重視の観点から最適化されているが、ダイナミックな走りも、もちろん健在。快適な走行とスポーティな走りの両立性が一段と高められたものに仕上げられているという。ハンドル位置は全グレードで左右の選択が可能となり、価格は¥11,280,000~¥17,200,000だ。