メルセデス・ベンツは、Sクラスの装甲車「S600ガード」を発表した。 あらゆる襲撃に対して乗員を保護する装甲車の開発を80年以上も続けているメルセデス・ベンツ。自社のラインナップに装甲仕様車「ガード」モデルを幅広く取り揃えている。現在「ガード」モデルはSクラス、Eクラス、Mクラス、Gクラスで設定されている。ちなみに「Eガード」には「E350CDI ブルーエフィシェンシー ガード」「E350ガード」「E500ガード」の3モデル。「Mガード」にはV6ディーゼルエンジンとV8ガソリンエンジンの2モデルが設定。Gクラスには、5.5リッターV8エンジンを搭載した「G500ガード」が用意されている。今回発表された「S600ガード」は最新のテクノロジーを注ぎ込んだ最新の「ガード」モデルとなる。
要人が乗車するということから、通常のSクラスと外観上見分けることがほとんどできない「S600ガード」。しかし、ボディシェルには製造初期段階からさまざまな補強が行われている。外装とボディの間に特殊鋼が組み込まれ、前後左右のガラスにはポリカーボネートでコーティングされている。さらにアンダーボディもほぼ全部装甲されている。これにより、装甲車の防御性能を判断する規格であるBRV2009で最高レベルのVR9をクリアしている。ちなみにVR9をクリアしたのは「S600ガード」が最初の車となる。
搭載されるエンジンは、排気量6.0リッターのV12ツインターボエンジンで、最高出力530PS[390kW]、最大トルクは830Nmを発生する。組み合わされるトランスミッションは7Gトロニック。重量増加のために最高速度は210km/hとなっている。 メルセデスの高い安全性に加えて、高い防御性能を兼ね備えた「S600ガード」は、地球上で最も安全性の高い車なのかもしれない。