ジャガー・ランドローバーがウエスト・ミッドランズに新たに設立した『JLRスペシャル・オペレーションズ』ディビジョンは、いうなれば同社のビスポーク部門。既存のプロダクトでは満足できないカスタマーに向けたモデルを生産する。
同部門を率いるマネージング・ディレクターのジョン・エドワーズは「エンスージアスティックな顧客の要望に沿ったパーソナルな関係を強化できる」と語り、また、最高経営責任者のラルフ・スペス博士は「この投資はジャガーとランドローバー両ブランドの強化につながるだろう」と語る。
具体的なメニューは、ハイパフォーマンス・モデルや大幅にボディをモディファイしたモデルの製作(限定車を含む)、内外装の特注カラーを含むカスタマイズ、ヘリテージモデルのリクリエーション及びレストアとパーツの供給、存在的な顧客の発掘の4項目。
この事業のためにジャガー・ランドローバーは150名の新規スタッフを迎え入れた。また、C-X75コンセプトの開発でタッグを組んだウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングも開発チームに名を連ねる。
先ごろ開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2014では、最初のミッションである『Fタイプ・プロジェクト7』に基づく第1作が披露された。Fタイプをベースに、往年の名車、Dタイプのル・マン優勝60周年を記念したモデルだ。
搭載されるパワーユニットは5リッターのV型8気筒スーパーチャージャーで、プロダクトモデルより25ps高めた最高出力575psを発生。車両重量は80kg軽量化。0-100km/hは3.9秒というタイムを叩き出す。なお、このスペシャルモデルは最大250台生産される。
歴史的なポートフォリオを様々なカタチで昇華させ新たな時代へ。ジャガー・ランドローバーの本気度を見た思いがした。