2014年5月25日、米国ニュージャージ州にあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイに一台のクラシカルなレーシングカーが姿を現した。そのクルマの名は、「8CTFボイル・スペシャル」。マセラティが1939年と1940年の2度にわたって「インディ500」を制したマシンである。
8CTFは、エルネスト・マセラティが1938年に着想したモデルで、イタリアの実業家一家オルシ家の強力な後ろ盾に得て実現した。固定ヘッドの8気筒エンジンが特徴である。1930年代のレースステージで、ヨーロッパの他のメーカーを圧倒するためにマセラティが投入したのが、このモデルだった。結果、当時世界一有名なレースであった「インディ500」で2連連続優勝という快挙を果たした伝説のモデルとして、今も語り継がれている。
1939年のインディ500での優勝から75年後、当時と同じ舞台であるサーキットにて、マセラティ100周年を記念した歴史的なビクトリーラップが再現された。当時の優勝ドライバーであったウイルバー・ショウに代わり、その名誉ある役目を務めたのは、インディ500で3度の優勝経験を持つジョニー・ラザフォード。その記念すべきドライブを観客たちは、暖かい拍手と声援を送った。
同日、伝説の名車「マセラティ8CTF」は、米国の歴史的名車協会(HVA)によって、外国製自動車として初めてアメリカ議会図書館に永久保存されることが発表された。これは歴史的に重要自動車を埋もれさせないための新たな試みであり、文化遺産に関してアメリカ合衆国内務省が定める基準に従いHVAの歴史的車両登録及びアメリカ国立公園局技術遺産記録(HAER)に記載されることになる。これにより伝説の名車は、自動車ファンの心だけでなく公的な記録にも永遠に刻まれ、後世に伝えられていく。
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