BMWの最新技術が切り開くラグジュアリーの未来

BMWが北京モーターショーで発表したコンセプトカー、『ビジョン・フューチャー・ラグジュアリー』はそのモデル名のとおり、今後のラグジュアリー・モデルの長期的な展望を示した意欲作だ。インテリジェントな軽量化技術、革新的なインテリアデザイン、そして斬新なインターフェイス。まさに強力な3本の矢が放たれたカタチだ。
201404-P90147070-zoom-orig_12009年にクリストファー・エドワード・バングルの後任としてBMWの乗用車部門のデザインディレクターに就任したエイドリアン・ファン・ホーイドンクは、「革新的な技術と現代的な豪華さはBMWブランドのDNAの一部だ」と語る。

グラスエリアを低く構えた斬新なクーペスタイルは、2013年に発表された『BMWピニンファリーナ・グランルッソ・クーペ』の面影を色濃く反映する。BMWのアイコンであるキドニーグリルはより大胆に。LED技術により小型化されたツインヘッドライトと有機LEDによるリアのコンビレンズはデザインの自由度を高めた。ホイールハウス内の内圧を低減するエアアウトレットがエクステリアデザインをより躍動的な印象へと導く。

最大のトピックはBMWが積極的に取り組んでいる CFRP(炭素繊維強化プラスチック)技術だ。Bピラーを排したワイドな開口部をもつボディの強度を確保するために、サイドシルとシートフレームを一体化。スタイリッシュなクーペフォルムを実現している。また、CFRPを大胆に採用することにより、一説によれば200kg以上の軽量化を実現しているという。

ハイブリットや燃料電池といったパワーユニットは大幅な重量増を伴うもの。しかし、BMWの軽量化技術ならトレードオフが可能となる計算だ。車体の軽量化なくして自動車メーカーの将来は語れないのである。