流麗なクーペのデザインエッセンスを4ドアセダンに盛り込む。いわゆる4ドアクーペコンセプトが最近のトレンドのようだ。この波は今やあらゆるセグメントに浸透し、新たなマーケットを構築しつつある。北京モーターショーにVW(フォルクスワーゲン)が持ち込んだコンセプトカー、『ニューミッドサイズクーペ』もそんな1台だ。
ボディサイズは全長4597mm×全幅1838mm×全高1422mm。現行モデルのジェッタと同じホイールベースながら、前後のオーバーハングを切り詰めトレッドを拡大。そして車高はなんと58mmも低い。ポジション的には上級モデルのパサートやCCの弟分のような存在だ。セダン需要を取り込むならゴルフ似のジェッタよりある種のカスタマーには魅力的に映るだろう。見かけはスタイリッシュだがパサート並みの広さと500リッターのトランク容量が確保されているという。
細部のディテールにもこだわりがうかがえる。エクステリアは樹脂パーツをツヤのあるグロスフィニッシュで仕上げ、また、リアバンパーに埋め込み式のマフラーのテールフィニッシャーを採用するなど、上級モデルと同じ手法を随所に取り入れている。インテリアのダッシュボードのデザインはゴルフを踏襲するものの、ピアノブラック仕上げのパネルを採用しプレミア感を演出している。
搭載されるパワーユニットはゴルフGTIと同じ2リッターの直列4気筒ターボエンジンと7速DCTの組み合わせ。CD値0.299の空力ボディの恩恵もあり100km当たりの燃料消費量は6.4リッターというデータが公表されている。ニューミッドサイズクーペはすでに生産拠点も決定済みというから今後の正式アナウンスを待ちたいところだ。