今が旬。なかなか出回らないチェコの特別な酒「ブルチャーク」に舌鼓

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初秋だけにしか味わえない「Burčák(ブルチャーク)」とは、圧搾したぶどうのしぼり汁が発酵途中にあり、ワインになる手前の段階で提供するものである。

そのためブルチャークを味わうには、ぶどうの収穫からしばらく経った9~10月が適当。

もちろんこれはチェコだけでなく、ドイツやイタリアなどでも似たようなものを提供している。

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チェコの東部であるモラヴィア地方からスロバキアにかけては、ワインの名産地である。

その中心とも言えるBrno(ブルノ)の街中で、ブルチャークとワイン、農産物のフェスティバルに遭遇した。

ワインの醸造家がそれぞれの屋台で自慢のワインを試飲、販売している。同時に、今年出来たばかりのブルチャークを扱っていた。

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種類は白と赤の両方。発酵途中なので濁っているのが特徴だ。ものによっては、若干炭酸を感じるものもあった。

ほどよい甘さで飲みやすく、まるでジュースのような優しさ。

すべて味がぶどうジュースなのかと思いきや、りんごジュースのような味がするものもあり驚いた。

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ブルチャークの試飲はだいたいコップ一杯で40円程度。飲みやすく安い事もあって、ついつい飲んでしまうが、ビールよりもアルコール度数は高いので要注意だ。

持ち帰る場合は、ペットボトルに詰めてくれる。

ここで注意しなければならないのは、ペットボトルの蓋をきっちり閉めておくと吹きこぼれてしまうこと。このような扱いの難しさもあって、外にはなかなか出回らない。

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モラヴィアの伝統的な音楽が流れ、チーズやソーセージを酒のつまみにして、みんなが昼間から出来たてのブルチャークやワインに舌鼓を打っていた。

楽しい雰囲気に呑まれ、お気に入りのワインを見つけるまで試飲していたら、酔っ払って大変な事になるだろう。

楽しい秋の収穫の宴は、夜遅くまで続けられていた。

(田原昌)