ぬるぬるの湯と甘い越前ガニを愉しむ古民家の温泉料理宿「やまざき」

福井県の越前海岸、厨(くりや)温泉は一度入ったら忘れられないほどぬるぬるとした肌触りが特徴だ。

このぬるりとした温泉に浸かりたくてやってきたのが、加賀から古民家をそのまま移築したという温泉旅館「やまざき」。

瓦屋根の日本家屋の風情ある佇まいが懐かしさを漂わせ客を迎える。

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門をくぐると正面に玄関、左手にはずっしりと分厚い扉の蔵がある。

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引き戸を開け玄関に入ると白い塗り壁に太く黒々とした梁や柱、磨かれた板の間が落ち着いた和の空間を作る。

玄関から真っ直ぐ海に向かってラウンジスペースが広がる。

和の空間にありながらモダンな暖炉や一枚板の大きなテーブルと椅子との調和がよく取れた居心地のよいラウンジだ。

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到着を告げると、まず部屋に案内されお抹茶と和菓子をいただきながらのチェックイン。

宿泊した部屋は1階の和洋室「しおん」。

古民家ならではの佇まいを色濃く残した12.5帖の和室と6帖のベッドルーム、温泉の内湯を備えた一室である。

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まずは浴衣に着替えて大浴場を借りることにしよう。

湯船は大きくはないが、客室数が少ないのでゆったりと入れる。

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そっと湯に入れば期待どおりのぬるぬるとした感触の湯が肌にまとわりつく。

窓からの景色は日本海。荒々しい波の音のBGMに耳を傾ければ旅情もたっぷり。

「料理宿」と冠した旅館での食事も愉しみのひとつ。

部屋でいただく夕食は、主人みずから競りで仕入れる越前の新鮮な海の幸がどっさりと並ぶ。

カニ漁解禁時の冬季には新鮮な越前ガニも愉しめる。

越前ガニ

カニの脚にはブランド蟹の証のタグ付き。

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口に含めばそのふっくらとした身と甘味に言葉もなくなる。

広間でいただく朝食もまた豪勢。

どっさり盛られたイカ刺しや焼き魚、煮魚にカニ鍋。

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ようやく秋らしくなってきたばかりであるが、部屋数が少ない宿の予約は早めにしておきたい。

住所:福井県丹生郡越前町厨16-53-1
電話:0778-37-1016
サイト:http://www4.ttn.ne.jp/~ryouriyado/

(小椚萌香)