東京の酒蔵「澤乃井」のかき氷と多摩川渓流で涼む

東京の山側、青梅市。高尾山よりもさらに西に行く、緑と水の豊かな土地。

東京駅から青梅線直通の中央線を使えば、乗り換えなしで行けるのだから実は便利だ。

青梅を越えると電車は山の中を縫って走って行く。気が付けば進行方向左手に多摩川も見えてくる。

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そうして東京駅を出発して約1時間半、「沢井(さわい)」という小さな駅で下車。

そこから多摩川に向かって急な坂を下ること5分、「小澤酒造」が青梅街道沿いに見える。

東京というあまり日本酒醸造に馴染みのない土地柄だが、ここは1702(元禄15)年創業で、意外に古くからある酒蔵。今や「澤乃井(さわのい)」のラベルを見かけることも多くなった。

予約をすれば、酒造見学もさせてもらえる。

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さて、青梅街道を渡ってさらに多摩川沿いに出ると、小澤酒造による「澤乃井園」という庭園に出る。

家族連れでも楽しめる場所で、食事処やお土産店、「きき酒処」などがある。

せっかく来たのだから、澤乃井の様々な日本酒を試したい。5勺(約90ml)のきき酒猪口を使い、常時10種類あるという酒を試させてもらう。

季節限定のものもあり、すべて購入が可能なのでお気に入りを見つけたい。

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食事処の手作りの酒まんじゅうも美味しいが、この季節は是非「甘酒かき氷」を試して欲しい。かき氷の上にかけられた甘酒の優しい甘さが、火照った体を一気に冷やしてくれる。

甘酒は夏バテにも効くと言うから、これは最高のコンビネーションだ。

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この「澤乃井園」の脇を降りると、すぐ多摩川に出る。都心部を流れる多摩川とは違い、アユも復活したという清らかで冷たい流れ。

両岸には「御岳(みたけ)渓谷遊歩道」があるので、カヌーやラフティングを楽しんでいる人たちに手を振りながら、のんびりと歩く。暑くなったらすぐそこの川に脚を入れて冷やせば良いし、山歩きとは違った涼しさを堪能出来るのだ。

約2kmの遊歩道を歩き終えると、JR御嶽駅はすぐ近く。途中にある川合玉堂の美術館に立ち寄るのもよし、ラフティングなどのウォータースポーツにチャレンジするのもよし。

東京に残されている美しい自然に囲まれて、夏の暑さを忘れてしまおう。

(田原昌)